今回は「ひとりが好きな私」がド共感に震えた「ヒューマンドラマ系のおすすめマンガ」を3作、ご紹介します。
絵のタッチも物語の醸し出す雰囲気も全く違う3作なのですが、どれも一人暮らしをしている女性が主人公の物語です。
私にとっては共感だらけで、生きづらさを感じながら一人暮らしをしている方、ひとりで生きる将来を考えはじめた方、ひとりで生きることを選んだ方に「まだ読んでないなら是非読んでほしい!」オススメのマンガです。
独身の人に「なんで結婚しないの?」「独りでさみしくないの?」とか聞いちゃう方にも読んでいただけたら、「ひとりで生きたい人」の気持ちを少し理解していただけるかなと思います。
私はどれも電子書籍で購入しました
ひとりでしにたい(カレー沢薫 協力:ドネリー美咲 / 講談社)
第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品。
2023年11月22日に7巻が発売予定。
“よく死ぬにはよく生きなければならない”
「ひとりでしにたい」1巻より
あらすじ
主人公は男性アイドルオタクで持ち家暮らしの30代独身女性。
ある時、独身生活を謳歌していると思っていたキャリアウーマンの伯母が風呂場で「孤独死」したことを知ります。あまりにも衝撃的なこの出来事をきっかけに「終活」に向き合うことになりますが、心配なのは自分の老後だけではなかった…。
退職後何もしない父とヒップホップにハマる母の熟年離婚危機など、次から次へと「よりよく死ぬための課題」が見えてくる。やたらライフプラン情報に詳しい年下男性との関係もどうなるか!?
感想・おすすめポイント
人前で読んでいると心配されそうなタイトルですが心配無用!
登場人物の感情がこれでもかと伝わる描写のおかげで「独り身の不安あるある」だらけなのにめちゃくちゃ面白いです。
おキャット様(飼い猫)のために生きなきゃ!という気持ちにもめちゃくちゃ共感。
そう、このマンガは「猫は神」というテーマも含んでいるらしい(拍手)。
介護問題や実家のお寺・お墓問題は我が家も同じような経験をしたばかりなのでタイムリー!
ずっと親任せにしていること、いっぱいありますよね?引き継ぐか、片付けるか、どうします?
できれば触れたくなかった様々な人生の課題にどう向き合うべきか、豆知識や対処方法などもわかりやすく盛り込まれているので結構勉強になります。
「堂々とひとりで死ぬためには、社会や人とちゃんと繋がって生きなければいけない」と深く考えさせられました。
「自分の終わり方」だけでなく家族についても深く考えるきっかけになる作品です。
共感だらけの様々な「不安なこと」がコミカルに表現されているので、とても重いテーマを扱っているのに気持ちを落とさずにどんどん読むことができます!
ダルちゃん(はるな檸檬 / 小学館)
資生堂「ウェブ花椿」で2017年10月から2018年10月まで連載されていた作品。
フルカラー全2巻。
“私を幸せにするのは 私しかいないの”
「ダルちゃん」2巻より
あらすじ
主人公は「20代のごく普通の派遣OL」という仮の姿に擬態した「ダルダル星人」のダルちゃん。
家族から「普通じゃない」と言われて育ち、必死に同級生や同僚の言動をコピーして、一見「ごく普通の女性」になりすまして暮らしています。
「本当の自分」はダメなものだと思い込み、周囲の人に合わせることに喜びを感じていましたが、生まれて初めての本当の友人や彼氏となる人物に出会い、詩と出会い、「本当の自分の言葉」を綴る喜びを知ったことでダルちゃんの気持ちに大きな変化が起こります。
感想・おすすめポイント
主人公の「生きづらさ」に息苦しいほど共感し、成長した主人公の強く優しい言葉に涙。
幼少期に家族からからかわれる、同級生とちょっと違う自分を自覚して悩む、そして心から大切に思える人との出会い、決断、いろんなダルちゃんが過去の自分と重なります。
人に合わせるだけだったダルちゃんが「本当の自分の言葉」を紡ぎだしてからの「人間の姿」に感動。
2巻のダルちゃんの言葉はとても強く、未だダルダルのままの私の心を抱きしめてくれます。
ふんわりやさしいタッチの絵と美しい言葉だからこそ、心をえぐる作品でした。
私にとってはとんでもなく良い意味の衝撃作ですが、もしかしたら自己肯定感の高い人は受け取り方や感想が違うかもしれません。
全2巻でフルカラー、絵のタッチも大好き!
これは紙で買うべきだったと後悔
プリンセスメゾン(池辺葵 / 小学館)
2016年にNHKでドラマ化された作品です。全6巻。
“努力すればできるかもしれないこと、
できないって想像だけで決めつけて、
やってみもせずに勝手に卑屈になっちゃダメだよ”
「プリンセスメゾン」1巻より
あらすじ
舞台はオリンピックを控えた東京。賃貸アパートで一人暮らしをしながら「マンション購入」を目標に居酒屋で働く、年収約260万の20代女性が主人公です。
運命の物件を探し求め、ファミリー向け物件のモデルルーム内覧会にも一人で参加する主人公の勇気と真剣な眼差しに不動産会社スタッフも心を打たれ、親しくなります。
主人公の家探しとその背景を主軸に、年齢も暮らしの背景も違う「ひとり暮らしの女性たち」の日常を淡々と描く群像劇です。
感想・おすすめポイント
私は子どもの頃から不動産チラシを見るのが大好きで、間取り図から部屋づくりを妄想するクセがあるくらいなのでドストライクな作品でした。
絵のタッチも登場人物それぞれの人生を想像させる描き方もとにかく繊細で、じんわりと心に染み込んできます。
主人公もそれ以外の人物もみんな普通に生活していて、その日常の一部を見ているだけなのに、なぜかとても切なくて愛しくて、泣けてきます。みんなに幸せになってほしくて仕方ない。
この作品はとても繊細で緻密だけど「絵で語り、言葉で語らない」美学のようなものも感じていて、ちょっと視線が止まる場面でもあえて言葉でも身体でも触れずに距離をとって包み込む、その少しの隙間にある空気で生きづらい社会から守ってくれるような、そんな気がしました。
「運命の物件を見つけるためのチェックポイント」など、マイホームを検討中の方には有益な情報も載っています。
目標のために必死に努力し、行動する主人公を尊敬!
自分の言い訳と諦めグセを反省しています
私は「マイホームに憧れ、よりよく死にたい、ダルダル星人」です
私は「自分が一番安らげる暮らし」を探した結果、一人でいます。長時間誰かと一緒にいるのがとても疲れるからです。実家でさえも、私にとっては心から安らげる場所ではありません。
20代、30代の頃は周りから「お節介だなぁ」と思うことも多々言われました。
(今言われて困っている方、40代になった途端に減りますよ!)
一人で十分楽しくて、誰かに頼って生きたいわけでもないけれど、それを良しとしてくれない人がいたり、自分がどんな「終わり方」をするのか考えると時々不安になります。
だけど、自分らしい暮らしや生き方、心安らぐ場所は人それぞれ。それで良いはず。
今回紹介した3作は、私が自分らしく生きていくために、心の防具になってくれる作品です。
自分で自分を幸せにするために、自分の価値観を大切にしたいですね。
このブログも自分らしく、本当の言葉で綴りたいと思います。
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