最近耳にした「ソバーキュリアス(Sober Curious)」という言葉。
ざっくり言うと「飲めないワケじゃないけれど、あえてお酒を飲まないスタイル」で、比較的若い世代で増えているんだとか。
実は私自身がお酒や飲み会に苦手意識を抱いているので、この意味を知ってさらに興味が深まりました。
それにこの言葉、「気乗りしない飲み会を欠席したい」という場合にも使えるのでは!?
この記事では、私が最近知った言葉「ソバーキュリアス」について、そのスタイルが広まった流れや実践するメリット、「飲まない人」目線からこの言葉がさらに広まってほしい理由、この言葉を使った飲酒の断り方などを綴ります。

なんとなく付き合いで飲んでいるけれど実は必要性を感じていない人、宴会のたびに憂鬱になっている人に注目してほしい言葉です
ソバーキュリアス(Sober Curious)って、どういう意味?
ソバーキュリアス(Sober Curious)は「sober(しらふ)」+「 curious(興味がある)」の造語で、あえてお酒を飲まないことに興味を持つ(飲まない選択をする)生き方を意味します。
「体質的にお酒が飲めない」「治療のために断酒する」という人とは違い、完全に断酒する必要はないけれど「自分の心身にとって飲酒がプラスにならないと判断し、あえて飲まない選択をする」というスタイルで、これを実践する人は「ソバキュリアン」とも呼ばれるそう。

健康志向やリスク回避志向が高まる中で物価も上昇し、節約をキッカケに「あえて飲まない生活」へシフトする人も多そうですね
ソバーキュリアスという言葉が広まった流れ

「ソバーキュリアス」という言葉は、イギリス出身のルビー・ウォリントンさんによって生み出されました。
作家・ジャーナリストのルビー・ウォリントンさんが、自分自身のお酒との関係について好奇心を持って向き合う実験的取り組みをはじめ、「ソバーキュリアス」と名付ける。
2015年頃からオープンに議論するイベントを開催し、健康志向のトレンドとして認知度が高まっていく。
2018年、ポジティブな選択として「飲まない」ことの効用や実践方法を紹介する『SOBER CURIOUS』を出版。
2019年頃から欧米の若者の間で広まり出し、「#sober」とハッシュタグをつけたSNSの投稿などから世界に拡散、トレンドワードとなる。
コロナ渦で外飲みの機会が減っていた2021年、日本でも翻訳版『飲まない生き方 ソバーキュリアス』が発売。健康志向やリスク回避志向の高まりとともに注目され、「ソバキュリアン」をターゲットとするノンアルコール飲料も増えている。


日本の若い世代には「気分次第で飲んでもいいけど、基本的に飲まない」くらいのゆるい感じで実践している方が多いようです
あえて「飲まない」を選択するメリット

宴会などで「お酒は飲まない」と言うと、「損してるね」「もったいない!」なんて言葉をかけられること、ありますよね。
でも最近は「あえて飲まないことで得られるメリット」に目を向ける人や、「飲まない選択」について理解してくれる人も増えつつあります。
お酒を否定するつもりは全くありませんが、多くの人に「それはそうかも……」と共感してもらえそうなメリットをいくつかあげてみますね。

共感できるものが一つでもあれば「飲まない選択」はアリかもしれませんよ
「ソバーキュリアス」を理由にすれば、飲みの誘いは断りやすくなる?
飲みに誘われたものの「できれば飲みたくない」「飲まないことを理由に欠席したい」と思うとき、「ソバーキュリアスを始めてみた」と言うことで、角を立てず自分の意思を尊重することができます。
ただ、聞き慣れない言葉に対して「意識高い系か?」と茶化されたり、「横文字アレルギー」の人に引かれたりする可能性もゼロではないので、そんな心配がある相手には「最近、ちょっと飲まない生活を試していて」など、表現を変えてみるといいかもしれません。
「前は飲んでたのに?」という人にも、「今はあえて飲んでないんだ」と話せばOKです!
本当はあまり人に言いたくない複雑な理由で断酒している人が「軽く断る理由」として使うのもアリです!
あなたの「飲みたくないから飲まない」という選択を、ソバーキュリアスという言葉の存在に後押ししてもらいましょう。
「ソバーキュリアス」を理由にするとどんなふうに効果的なのか、実際に使えそうなフレーズの例も考えてみたので、ご紹介します。

「最近そういう人増えてるね〜」くらいに軽く受け止めてほしい
飲まない私が「ソバーキュリアス」の広まりに期待する理由
「ソバーキュリアス」という言葉を知ったとき、最初に思ったのは「私もあてはまるのかな?」という素朴な疑問でした。
私はお酒に弱い体質ですが、それ以上に、お酒の席そのものが大の苦手なのです。
(おそらく、子どもの頃に酔った大人の醜態を見てしまったことが心に残っているのだと思います)
本当に気の置けない少人数の仲間となら、楽しく過ごせた経験はあります。
でも仕事関係や大人数の飲み会では、酔った人の陽気なテンションに引いてしまい、場に馴染めないことがほとんどでした。
「お酒飲まないの?」と聞かれるのも苦手で、「体質的にダメで……」と濁しながら、早く帰るタイミングを探してばかり。
周りのみんなは本当に楽しそうで、私のことも気遣って話しかけてくれるからこそ「自分はおかしい」と自己嫌悪に陥り、モヤモヤしているうちに本当に具合が悪くなることも多々ありました。
だから、「自分の意思で飲まない」というスタンスを前向きに言い表せる「ソバーキュリアス」の広まりには、とても希望を感じます。
私の場合は、単なる興味や健康のためというより「本当に心身に影響があるから飲まない」になっているので、もしかすると、「ソバーキュリアス」でもないのかもしれません。
それでもこの言葉の意味が広まることで、「飲まないこと」への理解が進み、無理する必要のない楽しい集いが増えることを願っています。

人に伝える時、「ソバーキュリアス」って言いたいだけ!みたいにはならないように注意しよっ
飲めない人&飲まない人でも楽しめる、無理のない集い方
「お酒を飲まない人でも気軽に楽しめる宴会だったらいいのにな」と思うことがよくあります。
私自身、過去に「今日はしんどくならなかった」「不安だったけど、なんか楽しめた!」と思えた集まりには、いくつか共通点がありました。
ここではそんな「お酒を飲めない人」「あえてお酒を飲まない人」でも気楽に参加しやすい集い方をご紹介します。

ちょっとした工夫で、誰にとっても気楽な集まりにできる余地は、きっとまだまだあるはずです
「飲まない選択」がもっと自然に受け入れられますように

「ソバーキュリアス」は、あえて飲まないという前向きな選択であり、自分やまわりの人を大切にする、生き方のひとつでもあることがわかってきました。
「飲まない理由」は人それぞれ。
体質に合わない人もいれば、健康や心のバランスを保つために控えている人、トラブルやリスクを避けるためにお酒との距離を見直した人、なんとなく「今日はいいかな」と思った人、「お酒は自分にとって必要ではない」と気づいた人もいます。
それぞれの選択がもっと自然に受け入れられるように、「ソバーキュリアス」というスタイルが一時の流行語として消費されることなく、ひとつの価値観として根付いていくことを願っています。


「飲まない自分」に引け目を感じることなく、心地いい選択ができますように
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