昨年母が倒れてから、約1年が経ちました。
脳梗塞で、現在も後遺症(片麻痺と失語症)を患っています。
退院した頃に比べると人や物の名前も正確に呼べることが増え、会話がスムーズになってきました。
それでもご近所さんやリハビリ関係の方など家族以外と話すのはかなり疲れるらしく、自室に戻る頃には頭から湯気が出てそうな表情。
そんな日の夜は「今日、すごく良く喋れてたね」と褒めています。
「本当?変なこと言って無かったかな?」と母は気にしていますが、本当に十分要点が伝わる会話になっているので、自信を持ってもらえるように必ず「大丈夫だったよ!」と伝えます。
退院後1ヶ月くらいは、うまく話せないことや相手の名前を呼べないことを気にして、家族以外とは話そうとしなかったけれど、「スムーズに言葉が出ないことがあるけど元気になりました」と伝えておいたらみんなじっくり耳を傾けてくれて、「会えて安心できたよ!声が聞けて嬉しかったよ!」と言ってもらえたのがとても助かった。
身体の方は手すりを持ったり杖をつけば一人で歩けるけれど、以前にも増して疲れやすくなっているようで、小さな店での買い物でも車椅子を使うことが増えました。
実家で夕食後にテレビを見ていると、母が無言で左足を出してきます。
「揉 ん で く れ」のサイン。
その横で愛猫は私に尻を向けて「んにゃ」と小さく鳴く。
「トントン し て く れ」のサイン。
母のマッサージと猫の腰トントンが実家で過ごす夜の重要な任務です。
つい先日、私の誕生日にも無言で足を出されたので揉みました。
今年は「おめでとう」も言われ無かったな。
思い出した様子も無かったし、言えないんじゃなくて忘れたのかな。
母の足や背中を揉みながら「あぁ、私がこれくらいの歳になった時は誰もこんなのやってくれないんだな」と思うけれど、それは仕方ない。
便利なモノに頼れる婆さんになりたいと思う今日この頃です。
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